東洋鋼鈑グループ(ISO 14001 グループ統合認証取得8社)の環境情報は以下のとおりです。
環境負荷低減活動に継続的に取組んだ結果をグラフなどに示します。
環境情報の概要
省エネルギー・省資源
総エネルギー使用量
2023年度の事業活動におけるグループの総エネルギー使用量(熱量換算;物流を除く)は3,410TJで、前年度比17.4%削減しました。使用エネルギーの内訳は、電力の使用によるものが74%を占めており、残り26%は燃料の使用によるものです。
2023年度は、生産の変動による影響の他、法改正に伴い2023年度から主に電力由来エネルギーの熱量換算係数が変更されたことの影響を大きく受けています。
空調設備の更新や照明のLED化、放熱量削減を目的とした断熱強化等、種々の設備対策を実施し、エネルギー使用量の削減に積極的に取り組んでいます。
電力使用量
グループの総電力使用量は292千MWhで、前年度比8.4%削減しました。
燃料使用量(原油換算)
グループの総燃料使用量(原油換算;物流を除く)は23千kLで、前年度比13.7%削減しました。
水使用量
グループの総水使用量は13.2百万m3で、前年度比6.3%削減しました。
グループでは表面処理鋼板や磁気ディスク基板の製造に多くの水を使用していますが、下松事業所では、冷却塔、ろ過処理設備等の活用により、水の約81%を循環利用しています。
二酸化炭素の排出抑制
二酸化炭素排出量(事業活動)
事業活動におけるグループの総二酸化炭素排出量は、204千t-CO2で、前年度比1.7%削減しました。2019年度比では、20.7%削減しています。
生産性向上対策とともに、省エネ設備の導入や高効率化、太陽光発電の導入や環境負荷の少ない燃料への転換を進め、二酸化炭素の排出削減に取り組んでいます。
二酸化炭素排出量(物流)
物流におけるグループの総二酸化炭素排出量は12千t-CO2で、前年度比5.6%削減しました。効率的な物流を計画し、グループ内の物流会社とも連携して二酸化炭素排出量の削減に努めています。
水域への排出抑制
COD、全窒素、全りん排出量
COD、全窒素および全りんの排出量は、水質汚濁防止法に基づき策定された総量削減計画及び総量規制基準順守のため、運転管理の強化に努め、全ての項目をクリアしています。
グループの事業活動で発生する酸洗排水、含油排水、めっき排水等は、その種類に応じて適切に中間処理した後、総合排水処理設備に送り、最終的に一括して凝集沈殿処理します。
廃棄物の排出抑制
廃棄物量
グループの廃棄物等総排出量は63千t で、前年度比13.7%削減しました。
廃棄物量は 5.1千t で、前年度とほぼ同量でした。廃棄物の多くは排水処理汚泥です。
再資源化率は90%以上を維持しています。
化学物質排出把握管理促進法(PRTR法)
対象物質の排出量と移動量の合計は107tで、前年度比12.6%削減しました。
法改正に伴い2023年度から新たに排出量、移動量の算定対象に加わった物質による増加分もありましたが、一部の製品の需要が低調であったため減少しました。この4年間では8.7%削減しています。
物質・エネルギーフロー
東洋鋼鈑グループは、ぶりきやラミネート鋼板をはじめとした各種表面処理鋼板、薄鋼板などの鋼板製品およびその加工品、電子機械部品、機能性フィルムならびに梱包用資材、機械器具、硬質合金などを製造しています。
また、グループ内に物流会社を持ち、船および車両による製品輸送も行っています。 環境面から見たグループの物質・エネルギーフローは、右図のとおりです。
主要な原材料は熱延コイルで、製品の製造工程におけるエネルギー源として電気、都市ガス、重油を使用し、さらに表面処理時の洗浄や設備の冷却などに水を使用しています。その過程で、CO2、COD、埋立廃棄物等を環境負荷物質として排出しています。
環境マネジメントシステムの状況
2023年度の活動による環境目標の評価結果を報告します。
No. | 環境目標 | 評価 結果 | |
---|---|---|---|
目標項目 | 目標値 | ||
1 | 事業活動における二酸化炭素排出量の削減 | 二酸化炭素排出量削減(2019年度 -18.2%) 東洋製罐グループ Eco Action Plan 2030の目標項目の1つである「2030年度の事業活動におけるGHG排出量(Scope1、2)を2019年度比50%削減」に基づき、総量同量削減(毎年4.55%削減)することを目標としています。 | ☆☆☆ |
2 | 枯渇性資源使用量の削減 | 枯渇性資源使用量削減(2013年度 -17.6%) 東洋製罐グループ Eco Action Plan 2030の目標項目の1つである「2030年度の枯渇性資源使用量を2013年度比30%削減」に基づき、総量同量削減(毎年1.76%削減)することを目標としています。 | ☆☆☆ |
3 | 事業活動における水使用量の削減 | 生産量原単位:前年度比1%低減(2022年度 -1.0%) 東洋製罐グループ Eco Action Plan 2030の目標項目の1つである「事業活動における取水量を売上高原単位で前年度比1%改善」に基づき、生産量当たりの水使用量を前年度比1%低減することを目標としています。 | ☆☆ |
評価結果 ☆☆☆ 目標達成 ☆☆ 目標まであと少し ☆ 目標未達
- 事業活動における二酸化炭素排出量の削減:基準年度である2019年度よりも電力会社の排出係数が低減されたことの他、電力使用量の削減を目的とした空調設備の更新や照明のLED化、燃料使用量削減を目的とした断熱強化といった省エネ施策の実行に加え、太陽光発電設備(オンサイト)の増設やオフサイト太陽光発電設備(営農型)からの受電開始など再生可能エネルギーを積極的に活用したことなどにより、二酸化炭素排出量を2019年度比20.7%削減し目標を達成しました。なお、目標達成のための施策の1つとして2022年度から非化石証書の調達を開始しましたが、2023年度は調達することなく目標を達成しました。
- 枯渇性資源使用量の削減:基準年度である2013年度以降の品種構成の変化や生産が減少したことなどにより、基準年度比33%削減し目標を達成しました。
- 事業活動における水使用量の削減:2022年度よりも生産量原単位は低減しましたが、目標とした1%までは低減することができず、未達の結果となりました。水使用量見える化の取り組みを進めており、節水可能性について検討し、原単位の低減につなげていきます。
また、プラスチック資源循環法に基づき、東洋鋼鈑(株)では、2023年度、次の目標を設定し、取り組みました。
製品長さ当たりの廃棄物量削減の目標が達成できませんでしたが、他の2つの目標は達成しました。
環境目標 | 評価結果 | |
---|---|---|
目標項目 | 目標値 | |
樹脂廃棄物発生量の削減 | ① 樹脂廃棄物量原単位(製品面積当たりの廃棄物量):2022年度未満 | ☆☆☆ |
② 樹脂廃棄物量:2022年度 -5% | ☆☆☆ | |
③ 樹脂廃棄物量原単位(製品長さ当たりの廃棄物量):2022年度未満 | ☆☆ |
樹脂を取り扱う工程ごとに目標値を設定
2024年度の目標項目は次のとおりです。
No. | 環境目標 | |
---|---|---|
目標項目 | 目標値 | |
1 | 事業活動における二酸化炭素排出量の削減 | 二酸化炭素排出量削減(2019年度 -22.7%) 東洋製罐グループ Eco Action Plan 2030の目標項目の1つである「2030年度の事業活動におけるGHG排出量(Scope1、2)を2019年度比50%削減」に基づき、総量同量削減(毎年4.55%削減)することを目標としています。 |
2 | 枯渇性資源使用量の削減 | 枯渇性資源使用量削減(2013年度 -19.4%) 東洋製罐グループ Eco Action Plan 2030の目標項目の1つである「2030年度の枯渇性資源使用量を2013年度比30%削減」に基づき、総量同量削減(毎年1.76%削減)することを目標としています。 |
3 | 事業活動における水使用量の削減 | 生産量原単位:前年度比1%低減(2022年度 -1.0%) 東洋製罐グループ Eco Action Plan 2030 の目標項目の1つである「事業活動における取水量を売上高原単位で前年度比1%改善」に基づき、生産量当たりの水使用量を前年度比1%低減することを目標としています。 |
プラスチック資源循環法に基づく東洋鋼鈑(株)の2024年度目標
環境目標 | |
---|---|
目標項目 | 目標値 |
樹脂廃棄物発生量の削減 | 樹脂廃棄物量原単位:2023年度未満 樹脂を取り扱う工程ごとに目標値を設定 |
環境会計
環境保全コスト
2023年度の環境保全コストの総額は20.2億円で、2022年度と比較して2.6億円減額しました。主な要因は、環境関係設備投資額の減額です。全設備投資額は2022年度143億円から2023年度140億円とやや減額であったため、全設備投資額に対する環境関係設備投資額の割合は、5.2%となりました。
2023年度の環境関係設備投資は、省エネ対策を中心に、電力使用量の削減を目的とした空調設備の更新や照明のLED化、燃料使用量削減を目的とした断熱強化などです。
環境負荷の低い製品の開発費は、2022年度1.9億円から2023年度1.8億円に減額したため、全研究開発費に占める環境負荷の低い製品の開発費の割合は7.4%となりました(2022年度は8.6%)。
百万円/年度
分類 | 主な取り組みの内容 | 投資額 | 費用額 | |||
---|---|---|---|---|---|---|
事業エリア内コスト | 613 | 863 | ||||
内訳 | 公害防止コスト | 大気汚染、水質汚濁防止活動、設備保守点検 | 177 | 337 | ||
地球環境保全コスト | 省エネルギー活動 | 426 | 0 | |||
資源循環コスト | 廃棄物回収、再資源化 | 10 | 526 | |||
上下流コスト | 包装材の回収リサイクル | 0 | 233 | |||
管理活動コスト | ISO14001維持向上活動、環境負荷監視 | 87 | 47 | |||
研究開発コスト | 環境負荷の低い製品開発 | 27 | 147 | |||
投資額+費用額 | 175 | |||||
全研究開発費 | 2,365 | |||||
対全研究開発費比 | 7.4% | |||||
社会活動コスト | 環境美化活動 | 0 | 0 | |||
環境損傷コスト | 0 | 2 | ||||
合計 | 727 | 1,292 | ||||
全設備投資額 | 13,998 | – | ||||
対全設備投資額比 | 5.2% | |||||
環境保全コスト合計(投資額+費用額) | 2,019 |
環境保全効果
2022年度と比べ、エネルギー使用量は17.4%削減しました。生産の変動による影響の他、法改正に伴い2023年度から主に電力由来エネルギーの熱量換算係数が変更されたことの影響を大きく受けています。
水の使用量は、6.3%削減しました。
二酸化炭素排出量は1.7%削減しました。各種省エネ施策の実行に加え、太陽光発電設備(オンサイト)の増設やオフサイト太陽光発電設備(営農型)からの受電開始など再生可能エネルギーを積極的に活用したことなどにより、2023年度は非化石証書を調達することなく二酸化炭素排出量を2019年度比20.7%削減しました。
廃棄物等総排出量は13.7%削減しました。主な要因は鉄くずの減少です。
廃棄物(埋立・単純焼却)量は2022年度とほぼ同量で0.6%の削減でした。
効果の内容 | 環境負荷指標 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
項目 | 単位 | 総量 | 対前年度削減量 (削減率%) |
|||
2023年度 | 2022年度 | |||||
事業エリア内で生じる環境保全効果 | エネルギー使用量 | TJ | 3,410 | 4,130 | -720(-17.4) | |
内訳 | 電力由来 | 2,507 | 3,084 | -577(-18.7) | ||
電力以外 | 903 | 1,046 | -143(-13.7) | |||
水使用量 | 千m3 | 13,189 | 14,076 | -887(-6.3) | ||
二酸化炭素排出量 | 千t-CO2 | 204 | 208 | -4(-1.7) | ||
内訳 | 電力由来 | 158 | 154 | 4(2.9) | ||
電力以外 | 46 | 54 | -8(-15.2) | |||
廃棄物等総排出量 | t | 63,245 | 73,300 | -10,055(-13.7) | ||
廃棄物(埋立・単純焼却)量 | 5,094 | 5,124 | -30(-0.6) |